社長の独り言
不動産営業について思ったこと
甘い言葉にご用心
先日、とある物件が欲しくて値段交渉の問い合わせをしたところ、先日値段を下げたばかりなので下げることができない。売主に言うまでもない。と言われました。まあ、よくある話です。ただ、このやり取りに少し疑問があるので書きます。
確かに、売主さんから預かっている業者さんは売主の最大幸福を追求するために存在するので価格交渉から売主を守るのも大切かもしれません。しかし、価格交渉を業者が売主に一切相談せずに断るのはどういうことなのでしょうか。
売主は少しでも高く売りたいです。なので甘い査定(ありえない高い値段)で誘ってくる業者に売却を委任します。いわゆる高取りというやつです。売れもしない値段で専属専任媒介を結び、徐々に適切な値段に下げさせる、真綿で首を締めるやり方です。
こういった手法で委任を取る業者は、全く信用できません。なぜなら売主の「時間」という利益を完全に無視しているのですから。売主に対して根拠となる資料を明示して適切な売却価格を助言するのは宅建業者の責務です。一番厳しい本音を言ってくれる業者を信用するべきだと思います。
話を元に戻します。売主から指示された値段が勘違いの値段だった場合絶対売れません。業者は売主が納得するかどうかは別にして、まずは適正な価格を意見するべきです。そのうえで希望金額を聞いて売りに出す。適正金額を下回らない程度の指値であれば積極的に売主に相談するべきです。なぜなら適正だから。その値段で売るか売らないかは売主の自由です。でも適正価格を言い続けるのは業者の務め。売主のためなんです。
この業者さんは一見売主のためにとった行動が、実は売主の売却機会を奪っていることに気付かないといけません。売主もどのような値段で引き合いが来ているのかを知らないと自分が決めた価格が適正かどうかわかりません。宅建業者は自らが提示した適正価格を立証するためにも引き合いのある価格は売主に伝えるべきなんです。
まあ、営業マンの中には宅建士の資格のない人もいっぱいいますし、宅建業者としての責務を知らない人もいっぱいいるでしょうから仕方ないのかもしれませんね・・・
売却するときに甘~い言葉で誘惑されていませんか?
名刺に宅地建物取引士の表記が無い営業マンに任せていませんか?
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